未だチヌを釣ったことのない私、レンジ・・。「徳山ってチヌ釣れるの?」というネガティブな疑問をぬぐい去るために、前日に試し釣りを行いました。クラリス氏は良型のチヌを数枚釣りあげ、タシケン氏も1枚釣っていました。瀬渡し『ブルーマリン号』の若い船長の橋本さんは、
「明日こんだけ釣れたら優勝出来るよ!」
とクラリス氏に太鼓判を押していいした。一方、試し釣りでボーズをくらった私は、
「どう釣ったらいいのかわかりましぇ〜ん(泣)。」
と、弱気になっていました。
「レンジ、釣れないからって大会中に寝るなよ。」
とタシケンさんに釘をさされ、
「明日、チヌ釣ったらいいやないや。大会で初チヌ!いいねえ〜。」
とクラリス氏に言われました・・・。
|
|
釣具屋で申込用紙に記入し参加費用等を払うと後日、左の封書が郵送にて届きます。FMA事務局に届いたのは5月7日でした。結構、ぎりぎりにきますね。 |
|
|
封書の中身は左の3枚。大会規約、参加通知書、そして大会当日に必要な審査カード。JAPAN
CUPの文字が入っているところを見ると同じモノなのでしょう。
我がFMA磯部門はこの大会がいわゆる釣り大会の初参加となります。全く釣りの大会というものは初めてなのでさっぱりわかりません。クラリス、タシケン、レンジの3名が無謀なアタックで見事玉砕することでしょう!そして、クラリスこと私はこともあろうに商品ほしさに鱗海の0号で磯にアタックします。下手に魚がかかって竿が折れなければいいんですが・・・。 |
クラリス氏、レンジ、そして私タシケンは、正真正銘、初のトーナメント参加である。時計の針が5時をさしたと同時に選手登録の受け付けが始まった。
「今から受け付けを開始します。選手の皆さんは登録カードを持って並んで下さい。」
シマノの大会スタッフが開始の合図をすると選手たちは、一人また一人と集まりだした。ゆっくりした選手たちの動きを見て、“以外と何気なく始まるものだ。”と思った。登録カードを持って私たち3人も受け付けに並んだ。余り緊張はしなかった。しかし、前の人が受け付けをしているところを見てビックリ!何と受け付けの順番とゼッケンの番号は全く関係がないではないか!ガ〜〜ン!!登録カードをわたして、並んでいる紙袋の中から好きな物を一つとる。その袋中にはゼッケンと検量用の針金が入っているのだ。これではゼッケンが何番になるかは全く判らない。受け付けの順番がゼッケンの順番だと勝手に思いこんでいた私は、いきなり出鼻をくじかれた気分だった。3人で同じ瀬に上がるなど奇跡でもおきない限りはあり得ないのだ!!
会場に入る前にシマノのスタッフらしい人に色々と質問をした。
「すいません。始めて大会に参加するんですけど・・・。」
「はい、なんですか?」
車の整理にいそがしそうではあったが、会場に入る前に準備のことなど聞いておきたかったので、少し無理に声をかけた。マキエや仕掛けは前もって作っておいて良いのか?船に乗る順番はどうなっているのか?磯に上がる順番はどうなっているのか?釣った魚はどうするのか?など、大会に出場したことがある人にとっては常識的なことがまったく何も判らなかったのだ。マキエと仕掛けは事前に作っておいても良い。船にはゼッケンの順番で乗る。各船にはゼッケンの何番〜何番までとが乗ると決められていて、磯に上がるのはゼッケンの若い方から順番にのる。釣った魚はスカリーやクーラーに入れて検量するまで自分で保管しておく。ということがわかった。おかげで緊張の糸が少し和らいだ気分だった・・・・。
3人一緒に登録すればもしかしたら同じ瀬に上がれるかも知れない。その考えは瓦礫のように崩れ落ちた。同時にゆるんでいた緊張が、また自分の中で張りつめる。
いよいよ乗船だ!係りの人がゼッケンの番号の大きい人から順番に2列で並べていく。並び終わると隣の人とクーラーの確認をし合う。魚を隠して持っていたりしないためだ。もちろん違反している人は誰もいないようだ。全員が乗船した船から順番に出航していく。船の中にはもちろん知り合いなど一人も居ない。私の中で緊張は高まっていた。船はなかなか目的地にたどり着かない。私の気持ちとは裏腹に船の中は終始和やかなムードだった。いろんな大会で知り合ったのだろう皆情報の交換に余念がない・・・。別の大会ではあそこの磯はどうだったとか、地元の人はなどは、最近はどの辺りが釣れているとか、嘘なのか?本当なのか?皆楽しげに話は進んでいる。しかし、すでに闘いは始まっているのかもしれない。これは駆け引きに違いない。和やかな会話が私には殺気だって聞こえた。
「あ〜あ、そこも上がっとるねえ、あれが下コウズたい。あっちのが上コウズ。」
「あそこが良いちゃないとね?」
『下コウズ』と言う言葉に思わず私は振り向いた。
「最近あまりあがってないみたいやけどねえ。」
『下コウズ』とは、私たち3人が練習のために昨日上がった磯だ。大会の練習と言うことで、2時間交代で釣り座を変わりながら練習をした。結果はクラリス氏チヌ5枚、タシケンチヌ1枚、レンジはボーズと言う結果に終わった。
「あそこ、昨日上がったんですけど、連れが5枚上げましたよ。」
思わず口をはさんでしまった。
「ホントですか?じゃあこの辺はノッコミはいっとるかもしれんねえ。」
「それじゃ第一関門は突破したようなもんかな。」
「他の船に乗った人はかわいそうやねえ。」
皆やる気満々、おかげで自分の緊張感も少し和らいだ。それから間もなくして船はスピードを落とし各磯へと選手を降ろしていった。磯の大きさに合わせて何人降りるか船長が指示を出す。一つの磯に2人〜3人、狭いところでは一人と言うところもあった。ゼッケンの若い方から順番に降りていく。いよいよ自分の番だ。降りたのは2人。場所は、日振岬の灯台の真下。船を下りる前に「ココは本命ばい、よかねえ!」と言われたが、私にはイヤな予感がはしった。今まで瀬に上がる前にそう言われると良い結果に終わったことがないのだ。私たちが降りたのは大きな岩の上で、そこから10メートルほど先に崖がそびえ立ちその上に灯台がたっていた。崖までは陸続きでは無く浅場でではあるが潮がながれている。
選手を渡す船は、近隣の防府市などからも来るということでした。選手はざっと100人はいるようで、そのうち決勝に行けるのは20人、約5分の1の確率だから、他のトーナメントに比べるとチャンスは大きいと言えます。
封筒を1枚ひくと、中に16と書かれたゼッケンと検量用の針金が入っていました。船は確か5艘くらいいたと思います。それぞれにゼッケン何番から何番までが乗ると決められており、クラリス氏、タシケン氏、みんな別々の船でした。私の緊張感が最も高まったのは、船に乗った瞬間でした。ゼッケンをつけた選手達が船にひしめき合い、当たり前ですがみんな知らない人達なのです!隣を見るとタシケン氏の顔がありました。「頑張れよ!」手を振るタシケン氏を後に、私の乗った船は走り始めました。走って2〜3分程の場所にゼッケン1をつけた女性があがりました。今大会ただ一人の女性のようです。それから同じ船に大知さんの息子さんと思われる方も乗っていました。さすがに知り合いも多いらしく、船長や他の選手たちと楽しそうに話されていました。
「若いのに余裕だなぁ・・。」
次々に2〜3人ずつ瀬上がりしていよいよ私の番です。
「15番、16番上がって。潮が引いたら低い方にも降りれるけぇね。」
高さのある4畳ほどの広さの丸っこい岩の隣に、平らな8畳ほどの低い岩がありました。4畳とはいっても、水平な所がなく、傾斜があるつるつるの岩で、荷物が滑り落ちないか不安です。2人分の荷物を置くとほとんど身動きがとれません。低い方の岩は、今から満潮にかけて水没してしまうそうです。
「宜しくお願いします。」と挨拶を交わし、まずは釣り座を決める。ルールとして最初の釣り座を決めるのは、ゼッケンの若い人が決めて良いことになっている。私の方が番号が大きいのでこの場合の釣り座の優先権は私にはなかった。
「釣り座はどうしますか?」
「そうですねえ・・・それじゃあ私ここにします。」
Aさんは船が瀬付けをしたところを指さした・・。
|