シマノ ジャパンカップ 投(キス)釣り 関東大会
Text by Jelly
5月17日、房総半島へ

午後1時、渋谷で国と待ち合わせ。246沿いのMacでランチを買い込み渋谷インターから首都高速に乗り込む。ポリレックで首を固定し、シートベルトを締める。
「首傷む?」
「まだね・・。」
実は私はこの3日前に追突事故に会い、首と左手を傷めていた。とても大会に参加するコンディションではなかった。しかし、家で悶々としていても精神衛生上よくないし、もしかして奇跡が起こって痛みが取れ、ちょい投げで参加できるかもしれないし・・など馬鹿なことを考えていた。そして何よりも千葉へ行きたかったのはLKサーフFMAの関東投げ部門唯一の相棒、国のリベンジが見たかったからだ。昨年国はこの大会の1回戦を1位で突破したが、決勝惜しくも4位と破れ全国大会行きを逃していた。その国が今年どういう闘いを見せるのか。それを見逃す訳にはいかない。国のことだ、応援しているだけでも共に戦っている気分を味あわせてくれるだろう!車の流れは順調だ。レインボーブリッジを渡り、お台場のフジテレビ、羽田空港を過ぎるとアクアライン入り口にはいる。一気に10分ほどで東京湾を越え千葉に渡り、午後5時、大会会場の保田海岸に到着した。

プラクティス、難しいポイント絞り

会場に着くとあいにくの雨。2、3日前から降る雨で小川の流れ込み付近はかなり濁っている。この小川の沖は昨年入ったポイントで国は爆釣、私も予選突破となった超A級ポイントである。濁りが強いが一応国は試し釣を始める。遠投、近投試すがヒイラギが多く釣にならない。
「やはり濁りがあるとだめだね。」
場所を換え、高い位置から海岸を見渡すと、一昨年まで良い結果を出していた本部前のポイントが、やはりいいシモリがあり期待できそうな感じだ。ここは大型が出やすい。数がこないので不安も伴う場所だが、あせらずじっくり狙うスタイルに適したポイントだ。雨が強くなる。キスの姿を見ることは出来なかったが、国はかけ上がりの形状にある手応えを感じた様子だ。大会前にyahooのネットオークションで手に入れたシマノのチタニウムのリールの調子もいいようだ。7色手前付近にストレートにびしばし投げ込んでいる。
「今日はあがりましょう。最終ポイントは明日朝の勘次第で決めよう。」 
「OK!実績がある昨年のポイントが難しそうだと解っただけでも収穫だしな。」
雨も強くなってきた。道具をかたずけて、宿へ向かった。

餌の手入れは入念に!

宿に着くと、国は餌の東京スナメを海水で洗う。この餌は大会には欠かせない上等の餌だ。この日のためにわざわざ小田原の馴染みの釣具屋、宮島屋釣具店まで買いに行ったものだ。我々は大会のエントリーもここで登録している。いつもお世話になっている関東屈指の老舗釣具店だ。専務が撰んでくれた細身の極上品。しかしこれを最高の状態にするには温度管理、水質管理が重用だ。今回は2つのクーラーを用意し、微妙に温度を変えて保管した。それぞれのスナメのぬめりを丁寧に取り除き、体色をチェックする。濃いピンク色で動きもいい。この餌は弱るとまず動きが鈍り、体色も黄色味がかってくる。餌は万全だ!安心して宿へ向かう。熱い風呂、冷えた麦酒、近海でとれた刺身!大会前夜、しばしの休息だ!

絶品の伊勢海老に舌づつみ

宿、南房荘にチェックイン。なんと本日2名のみの貸し切り状態である。早速温泉に入り疲れを癒す。首をかばうためにコリのひどい肩の痛みがほぐれていく。このあと2度3度と入りそのたびに湿布を換え、重い痛みがほぐれていく。
「これだけでも来た甲斐があったよ。」
「Jがキャンセルしたら俺一人で泊まっていたかと思うと不気味でぞっとするよ。」
などと笑いながらのんびり入浴、そして夕食だ。平目の刺身、そして珍しい平目の空揚げで冷えた麦酒をグイッと飲んでいると、本日のメインディッシュ伊勢海老が登場。薄味でさっと火を通しただけの逸品、新鮮なので歯応えがプリプリだ。
「うーん旨い。」
風呂上がりの満足感に加え、味覚も満足感に包まれる。仕上の味噌汁も伊勢海老仕立て。宿の親父にお礼を述べて部屋へ、一服しながら明日の仕掛けの最終チェック。国はテクニウムのリールに取り付けた夢屋のスプール(なんと1つ1万8千円!)に新しいシマノの1号PEラインを巻く。仕掛はオーナー、ジャストキス5号の4本針仕掛け。モトスはホンテロン1・5号。力糸はナイロンの1・5,から12号のテーパー仕様だ。私は記録係となるべくデジカメの操作を確認して眠りについた。明日はどんな戦いになるのか?いよいよ関東決戦だ!

5月18日、雨。さあポイントは

当日は朝4時起床。コンビニで食料を買い込み4時30分に会場の保田海岸へ。すでに駐車場の半分が埋まっている。この大会を1年待ったトーナメンター達の気合がわかる。小雨の中タックルを準備していると午前5時、エントリー時間だ。jellyは涙の棄権を決め、大会参加の記念帽子だけもらいにいく。国はタックルを入念にチェック!竿はキススペシャルのBX、リールは最高級機種のパワーエアロチタニウムに夢屋のスプール、すごい、この2つで軽自動車が買える!道糸はシマノのキススペシャル0・6号、チカライトは食い込みを重視してゴーセン、ナイロンの1・5〜12号、錘はフジ工業の新製品27号だ。仕掛けはモトス1・5号、ハリス1・0号、オーナージャストキス5号の3本、4本針を用意している。餌のチロリが少し弱っているのが気にかかるが、あとは万全だ!今年はエントリーと同時にタックルチェック、この時点で国はポイントを昨日最後にためした本部下に決めたようだ。ここは沖に瀬が点在し大型がひそむポイントだ。そしていよいよ移動開始、国は思い通りのポイントに入る。そして午前6時いよいよ開始の合図の爆竹が鳴った!

食い渋るキス、国、執念の攻め

最初の1時間はほとんど釣った人を見かけないほど釣り場は不調、その中でちょうど1時間後、国が1匹キスをあげる。やや小型だが貴重な1匹、周りのテンションも一気にあがる。国は最初6色付近を遠投で探っていたようだが、ポイントを3色付近の近場に変えての釣果で、つづけて同じ3色付近を攻めつづける。そして2匹目を追加、国から見える範囲では1匹上げた人が2,3にんで一歩リードした感じだ。少し歩いて他の場所の状況を見に行くがあまり釣れた様子はなく、降りしきる雨に集中力を奪われたひとは置き竿にして一服している人もいる始末・・・チャンス!集中力では負けない国に有利な展開だ。しかしやはり後が続かない。国は再び遠投、6色付近に投げ込みきわめて丁寧なさびきで少ないキスを何とか食わせようと必死だ。そして2時間後やっと3匹目!国の付近ではだんとつだ。しかし、型が小さいのが気にかかる、がこのままでは半数の人がボウズに終わりそうな展開で非常に健闘しているといえよう。見る限り1匹くらいしか釣れてなく、国のリードを確認するために再び視察、そこで終了前30分に東サイドのポイントで22cmクラスの良型を上げる瞬間を目撃、続いてその付近で20cmサイズがあがる。時合か?しかしこれも大型の気まぐれな回遊らしく後が続かない。ほっとして国の所に戻るが現状は3匹のまま。潮もほとんど動かず状況に何の変化も無いまま、きわめて難しい条件での予選が終わろうとしていた。1回戦終了3分前に国が執念のラスト1投げ!じわじわとさびく・・・そして・・まさに終了間際の1匹を上げる。さすが、このラスト1匹はでかい!4匹目を釣り上げ国も手応えを感じた模様だ。午前9時検量開始、集まった人たちはほとんど1,2匹の釣果。見た感じではトップらしきひとがダントツで7匹、それ以外で釣った人で4匹といった様子。しかし1部に型の良いキスも混じっているので予断を許さない。どうやらこれまで経験した関東大会のなかでも最も釣果的に厳しい100グラムボーダーの争いになりそうだ。そしていよいよ国の検量、4匹91グラム!少ない・・4匹ならば最低100は欲しい所だ。しかしこの食い渋りの中での4匹、さすが国のテクニックだ。匹数ではトップクラスなのだが。そして30分後いよいよ発表の時を迎えた。

驚愕の結果、1グラムの争い!

昨年は11匹で295グラムと2位以下に大差をつけて決勝に1位で進出した国、そして今年は・・・息を呑む発表、書き出された決勝進出者ラストの20位の重量は・・・92グラム!なななんと1グラム差!1円玉1枚分の差で国は敗れた。やはり引数では上位だが型が小さすぎた・・・あと国の周辺がほとんど釣れてなく少し油断があったかもしれない。2年連続の決勝進出は夢と消えた。これほど釣れない中ワカサギのような小キスでもとりあえず釣り上げてしまう。テクニック的にはもうしぶんない。しかしあと少しの運がなかった。全国大会経験者、著名なトップキャスターでも予選落ちする関東大会。しかし国は常に決勝が手に届く位置にいる。あと1歩だ。進め次の次元へ!我々トーナメンターは進化を止めることは出来ないのだ!!