ダイワ 九州クロ釣り選手権 宮ノ浦大会
Text by Jelly & Renji
11月16日、長崎県平戸市宮の浦にて「2002ダイワ九州クロ釣り選手権」が開催された。この大会は当初11月9日に開催される筈だったが、天候不良の為に一週間順延されたのだ。
午前4時30分に丸銀前に設置された大会本部テントで参加受付が始まり73名がエントリーした。受付で通知ハガキを提出して参加費の¥6,000円を払い、ゼッケン番号のクジをひく。支給されたのはダイワ製の大会キャップの他に25cmキーパースケール。私は気付かなかったが受付役員の中にダイワフレッシュアングラーの濱田修司氏がいたそうだ。さてこの大会、サブタイトルで「鵜沢名人に挑戦!」と銘打つだけにダイワのフィールドテスター鵜沢政則氏がシード選手として参加する。鵜沢といえば全層、まさに禅寺の修行僧のような釣行を重ねる我々とは相性もバッチリなはずだ。
TEAM FMAから参加したのは「磯部長」ことクラリス氏、そして「投げ部長」のジェリー氏、磯部門所属のレンジこと私の3名。私とクラリス氏はおよそ1カ月ぶりの釣行である。
「検量して〜!」
未だキスしか!?検量したことがないクラリス氏は今回こそはと意欲を燃やしている。ジェリー氏は磯釣りは殆ど素人なので呑気に構えている。フカセ釣りの大会は初出場だが、投げの大会では実績があるだけに場慣れしていらっしゃる様子。
「キーパーって5匹だけでいいの?」
ジェリー氏、やはりタダモノではない・・。
私はクロ釣りの大会は初だが磯に行っている回数からしてもう初心者ではない。「デカいのを1発必中!」は無理でも磯歴若干5回ほどのジェリー氏には負けられない。

12/20(金)

「いやあ、お世話になります!」
出張先の松山から汽車で5時間、やっと博多の釣具屋『フィッシングK』(実際には福岡市早良区にある)に到着した。俺は磯竿をダイコーの名弓1.7号とケン・クラフトの安物2号(何故かラインを出すと釣り人の意志にかかわらずウキも同時に動くオート糸ふけとり機能付き!)しか持っていないので、この釣具屋にダイワの竿とリールを貸して頂きに来たのだ。

今回参加する大会は「ダイワ九州クロ釣り選手権」。竿、リールはもちろんのこと配合エサもダイワでなければならない。ついでに今までは自前で持っていなかったバッカンも購入しマキエを3角買う。上等な白オキアミなのでツケエにも使えそうだ!配合エサはダイワの「遠投グレ」。明朝の試合なので半分だけ混ぜてもらう。前回の釣行時に海に落としたハサミも買って準備万端、一路、平戸を目指した。

今夜の宿は上から読んでも下から読んでも「丸宮丸」。しかし、まだ自分がトーナメントに出るという実感が湧かない・・・。サーフ・トーナメント部門TLK SURF FMAUではリーダーを努めているが、フカセ・トーナメント部門のTTEAM FMAU に所属を認められるためには何かしらの大会に出なければならない。狙っていたダイコー・カップが仕事で駄目になった今、今年はこれに賭けるしかない!移動で疲れた体に鞭を打つ!
「やったろうやんけ!」
4時間の移動の果てに平戸宮ノ浦にある丸宮丸へ、ほかほか弁当カルビ味を食べると一気に眠気が襲う。しかし準備がまだ出来ていない。小物等の整理を済ませ、クラリスさんにトーナメントの心得を習い気持ちを落ち着ける。いよいよ明日は大会か・・・、楽しみなのか不安なのかわからなくなってきた。

12/21(土)

朝4時半、宮ノ浦港に設けられた会場でエントリーを済ます。ゼッケンは84番、なんとレンジは86番で同じ船である。クラリスは42番で違う船になりそうだ。今回は出場者76人が5隻の渡船に別れそれぞれの船での1位と2位が10位までのランクインを争う「横取り方式」というやつだそうだ。しかし表彰される5位までに入るには各船で1位にならなければ可能性はない。まあどうでもいいさそんなことは、とにかく目標は検量だ!

5時30分、参加受付を閉め切ると、大会説明が簡単に行われた。
ルールを簡単に説明すると、まずタックルだが竿リールともにダイワ製品に限る。マキエに混ぜる配合エサもダイワ製に限定。すでにマキエを作って来ている人は空の袋をチェックするほどの徹底ぶりだ。5つの各渡船にゼッケン番号順に乗り、2〜3名ずつ渡礁。25cm以上のクロ5匹以内の総重量で順位を決める。しかし「横取り方式」と言って、爆釣したポイントから上位入賞者が続出しないように、それぞれの船の上位1名だけが入賞できるのだ。競技時間は7時から13時までで、10時に釣り座の交代もしくは全員の合意で瀬替わりが出来る。
出船を前にしてダイワ・フィールド・テスター鵜澤政則さんからの簡単なアドバイスが始まった。テレビや雑誌等で頻繁にお見かけするが、目の前で見るのは初めてだ。私はミーハーな性格なので思わず写真におさめてしまった。
やはりフィールド・テスターともなると所属するメーカーの製品開発や日本全国の磯を釣りしてまわる訳で、様々な場所で講演会やサイン会等も当然行わなければならない。常に大衆を意識していなければならないタレントのような立場でもある訳で、
「大変な仕事だなあ・・。」
と、しばし感慨にふけったのでした。
一斉に時計合わせを行うとゼッケン順に振り分けられた渡船の前に選手たちは急いだ!
ゼッケン42番で、いつも利用している丸宮丸に乗るクラリス氏。そしてゼッケン84番と86番でニアミスのジェリー氏と私。我々が乗る船は宝栄丸。渡船によって何処の磯に向かうかわからない。運命の一瞬だ!乗船前に全員のタックル・チェックを大会役員が入念に行った。
さあ、「クロ釣り選手権」という名の禅問答、いよいよ開始だ!
『しかし、この後とんでもない事態が!』byガチンコ

午前6時、いよいよ出船!俺とレンジは宝栄丸に乗り込んだ。船は『志々岐崎』というポイントに向かった。最初の磯には3人が乗った。次も3人ならなんと磯までレンジと同じだ。船がある磯に近づく、先に上がっている一般客が5人見える。ここは2名が限度かな・・・と思っているとなんと呼ばれたのは3人!ついに磯までレンジと同じになった。しかし上磯してからが問題だった。ほとんどスペースが無いのである。船の親爺は先の瀬で釣れといっていたが7時が満潮なのでとても渡れそうにない。飛べば一人だけは行けそうだが・・・、しかし大会で怪我をしてもしょうがないし主催者にも申し訳ない、先に来た人たちに謝りながら隙間に入れてもらうことにした。

一緒に上がったゼッケン85番の人は長崎市の方から来た上手そうなジェントルな人だ。とりあえず釣り座をルールに従って決めるが、隣の人に竿が当たりそうだ。7時少し前に夜が明ける。潮はトロそうだ。ワンドの中にしか釣り座を取れないのでポイントが遠くなりそうと判断し海水を入れず固めにマキエを作る。仕掛けはなんとなくシーガー磯ハリス1.7号を1ヒロ半、釣研ドングリG2、は鈎はトーナメントあぶみ2号とする。先に来た人たちは徹夜釣りのようなので一晩中クロはいじめられているかもしれず、警戒心旺盛ながら少しはタナが浅くなっているかもと見たからだ。

朝7時、試合開始。案の定1投目からコッパクロが沸き上がり海面が盛り上がりそうな勢いだ。見えるクロは釣れないというがコッパは釣れる!毎投コッパの連荘釣りで面白いがこのままではどうしようもないという状況が続く。そのうえウスバが回り始めいつのまにかハリスを食いちぎっている。あやうく買ったばかりのウキまで取られそうになった。他の皆はどうしているかと一旦様子を見に行く。これが大きな岩場を越えなければならないのできつい。しかし他の2人もコッパと戯れていた。レンジはなぜかコッパが釣れてもニコニコ顔で釣っている
「レンジは本当に魚が好きなんだなあ・・・。」
感心して自分の釣り座にもどる。